大会長 
田村 勝弘
川越少年刑務所 法務教官

「アディクション(addiction)の反対はコネクション(connection)なのです」 イギリスのジャーナリスト、Johann Hari氏のEverything you think you know about addiction is wrong(依存症-間違いだらけの常識)がTEDで流れて早10年。

第15回日本性とこころ関連問題学会大会長を拝受いたしました田村です。私は法務教官です。普段は矯正施設(刑事施設、少年院、少年鑑別所など)で犯罪・非行を起こし矯正施設に収容されることになった彼らに対し、改善更生、再犯防止、社会復帰・・・個人的には以上の言葉ではしっくりと受け止めていませんが、彼らのこれからの「社会生活」のための指導(教育)が私の役割です。

私は長年刑事施設で薬物指導を担当してきました。そこで、たくさんのアディクトと出会いました。

「薬物使用を続けたのは、意志が弱いから薬物使用を続けてしまうので、これからは強い意志を持って断ち切ります。」と彼らが言っていたのは15年前。

「薬物依存症は、脳の病気であるから意志だけでやめることは難しい。」私は脳科学的なことは理解不足ですが、現に医療機関で脳のケアをしていない中間施設で回復している人がいることを考えると、それもちょっと違うのではないかと感じます。

「社会内においても継続的に薬物依存からの回復に向けた治療及び援助等を受けることの必要性を認識させる。」 そもそも、薬物を使用し続けた人全員が、薬物依存だと言ってもよいのでしょうか。

今の私は、どれも違うのではないかと疑問を持っています。

コネクション―人は人とのつながりの中でアディクションから解放され、変化していきます。

ある自助グループに参加した時、メンバーは「仲間がいたから今の自分がある。」「仲間を思い浮かべたら、使用せずに済んだ。」、「仲間がいたから自分を信じることができた。」と、メンバーは『仲間』というキーワードを持っていました。

『仲間』-アディクトに限らず、私たちも『仲間』が必要です。
今大会で、たくさんの『仲間』に出会い、私たちもつながりを広げたいと考えています。
会場でお会いしましょう。